『KAIGO』

「少子高齢化」が叫ばれ始めてから、果たしてどれぐらいの月日が経っただろうか?

未だ決定的な打開策が見出せないまま、真綿で首を絞められるように、ゆっくりと着実に問題が肥大化・難題化してきている。

介護の現場から聞こえてくる担い手や事業者の悲鳴に対して、政府がやっと重い腰を上げたのが昨年11月。外国人技能実習生への門戸を開いたのだ。

堰を切ったように、多くの事業者がアジア各国に出向き、介護人材の確保に乗り出し始めている。

今回は機動力と先見性のあるクライアントに帯同して、ミャンマー第2の都市マンダレーで、介護人材技能実習生の採用に立ち会った。

訪れた日本語学校には約200人の生徒が通い、その全員が介護人材としての就職を目指して勉学に励んでいる。

学校側の基準で選別された12人を面接し、その中から4人の内定を出さなければならない。

クレペリン検査やIQ試験の結果、家族構成、職歴や入れ墨の有無に至るまでの内容を吟味して、断腸の思いで4人を決定した。

日本の介護事情をどこまで理解していただいているのか、などの不安要素が拭えないのが正直なところであるが、屈託なく微笑む彼女たちに期待せずにはいられない。

介護がKAIGOとしてアジア各国に認知される日までそう遠くないのかもしれない・・・。