『小さな留学生』

アジア某国の大都市で「小さな留学生」はお父様と二人暮らしをしていました。

自営業を営むお父様は、我が子を養うため日夜を問わずお仕事に奔走していましたが、ご家庭の事情でお母様とは離れ離れ。

そう、都会の片隅で「小さな留学生」はいつも独りぼっちの生活を続けていたのです。

そんな生活を不憫に思った日本に住むおじいちゃんとおばあちゃんは、なんとかしてかわいい孫を引き取り、日本でいっしょに生活したいと考えていました。

ところが残念なことに、祖母と孫に血縁関係があるものの、「実子」ではないため、身分上の在留許可を受けられる余地はなく、日本で3ヶ月を超える在留が認められないのです。

こんな状況を打開したいと思っていたおじいちゃんは、一生懸命入管法を研究し、小学生から「留学」の在留資格が取れるようになったことを知りました。

おじいちゃんからのご依頼を受け、私が地元の教育委員会へ相談してみると、「小さな留学生」の状況を知ったご担当様から全面的な協力をいただけるとの確約をいただきました。

教育委員会から交付いただいた書類を添付して、いざ!! 在留資格認定証明書交付申請。

順当に手続が進めば、同級生といっしょに4月から「ピカピカのいちねんせい」として学び舎の正門をくぐれる予定でした、が・・・。

3月末でも在留資格認定証明書は届かず、4月に入り、ゴールデンウイークを過ぎ・・・。

東京入国管理局留学審査部門のご担当様に伺うと、今回は東京入国管理局の上級庁である法務省入国管理局や、文部科学省との協議が行われているため、想定外の時間がかかっているとのこと。

ヤキモキした気持ちさえも忘れそうになった今日、待ちに待った在留資格認定証明書が事務所に届きました !!!

おばあちゃんの愛情、おじいちゃんの情熱、教育委員会の共感、当局のご理解など、今回の申請に携わった皆様の思いが詰まった「小さな留学生」は、ちょうど夏休みがスタートする来週にも日本を訪れる予定です。